雪とおにいやんとDVD

降雪タイマー

北風小僧:「今年は雪は降らさないのかい?」
雪の妖精:「大丈夫、しっかり降雪タイマーをセットしてあるよ。」
北風小僧:「そっかぁ、じゃぁ頼んだよ。」
雪の妖精:「了解、やっぱ、あれないとね。」



もう何年連続だろう・・・2月始めに必ず雪が降ります。
今年も暖冬と言われても、気にせず、この降雪タイマーが作動したみたいです。



朝起きると、街中が真っ白。
おかげで窓ガラスを吐息で曇らせながら身震い。



そんな情緒的な一日に起きたおにいやんの事件簿。



雪も融けてすっかり道路が見え始めた夕方。
家路に着くおにいやん。
ふと見ると道路脇にTSUTAYAの青い袋が落ちてる。
通常なら、無視するのかもしれない。
いや、寧ろ無視され続けてそこにあるのかもしれない。
そんな、青い袋。
「きっと困ってるだろうなぁ」と思い、
おもむろに手に取ろうとした瞬間、
マジックテープが劣化してたのか、いきなり中身が飛び出した。
あわわわ。
ケースが飛び出し、
落ちた衝撃で
さらにCDかDVDらしい円盤状のモノが飛び出した。
と、通りがかった主婦の御一行。
主婦:「あ、落ちましたよ。」
おにいやん:「あ、どうもすいません。」
主婦:「・・・・・・・。」
CDから視線を逸らし、
どうみても変な目で、一瞬オイラを見て
そのCDを突き出す。
いかにも早く取りなさいって感じで。



何だか微妙な時間が流れ、礼を言って
ケースを拾おうとしたら、
ガシャン。。。
おにいやん「・・・・・・。」



交通事故です。
粉々です。
これって・・・オイラのせい?
こんな漫画みたいことが起こるなんて・・・。
仕方なしにそのCDだけを持って帰ろうと
人差し指にそのCDを刺して、びっくり。
な、なんと・・・超イカガワシイDVDじゃないですか!?
ちょ!!
まじか!?
オイラじゃないってば・・・。
どうりであんな視線を・・・。
ふぅ・・・神様、あんたって人はさ・・・。
結構タフな試練をオイラにくれるね。
いいよ、別に・・・オイラは腐らないよ。



家に帰り、TSUTAYAに電話。
すると夜の11時に取りに来るとか・・・。
オイラは10時から予定がある。
しかも、こんなDVDはさっさとオイラの元から消えて欲しい。
おかげで今頃ご近所の主婦連中でオイラの評判が・・・。
考えただけで腹が立つ。
仕方なしに、地下鉄に乗ってオイラがDVDを返却に。
しかもわざわざオイラのボブディランのCDを取り出して、
そこにそれを入れてTSUTAYAに持って行った。
ゴメンよ、ボブ。



AT 8:00PM TSUTAYA松ヶ崎店於


カウンターは女性ばかり。
ふぅ。神様、まだオイラを苛めるのかい?
おにいやん「あのう・・・拾得物でこちらのDVDを拾ったので届けに来ました。」
店員:「ちょっとお待ちください。」
待つこと1分位。
店員:「すいません、商品の方をお見せいただいていいですか?」
おにいやん:「それが・・・ケースが交通事故に遭いまして・・・」
店員:「え?」
なんで、オイラがこんなに後ろめたいのだろう・・・。
おにいやん:「拾った時に中の商品が飛び出して・・・漫画みたいにそこにトラックが通りかかって・・・その、あの、粉々に・・・」
店員:「えっと・・・中身はどうでしたか?」
おにいやん「あ、中身はしっかり確保してました。」
確保って・・・こんなしょうもないDVD。。。素で借りた奴を呪った。
店員:「じゃ、中身だけ預かります。どうもありがとうございました。」
・・・・・・・。
なんかさ、こうして終わったんだけど・・・別にお礼とかいらないけどさ・・・
なんかさ、こう、もっと感謝があっていいんじゃないの?・・・めっちゃ事務的だしさ。
大体、あのDVDを女性店員に届けるこのオイラの気持ちになってよ。
たまったもんじゃないよ。
電車代だって往復で400円以上だよ。
ケチくさいかも知れないけどさ。



こうして、おにいやんは完全に雪の融けた舗装道路を
トボトボと家路につくのでした。
空には雪雲どころか、満点の星空と明るい月。
冬はもう少し続くね。足の傷とココロがちょいと痛む夜でした。


今日のお薦め

お薦めっていうか、今頃か!?って感じかもです。
そうです、意外と手が出せなくて読んでませんでした。
それを知ったおにいやんのおせっかいな友が
翌日に持ってきてくれたので、読むことにします。

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)

今更でごわす。
まだ最初ですがはまりそうな予感。
こりゃ、また下車する駅を乗り過ごしそうだ。