~オカンとボクと、時々、オトン”

『リリー』な日

というわけで、読んだ。
『東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~』


東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~



素敵だ。
文学としては俗っぽいかもしれないけれど、
何故だか、この歳になって共鳴できる部分が多々あって、
しかもこんな生き方をしてるもんだから、余計に。
親に我侭を言って、好き放題な人生を歩んでるオイラ。
一切お金にならならい研究に身を投じて
暢気に詩の良し悪しを友と論じてる。
間違いなく親不孝者だ。


人生には沢山の時間を自分の為に
様々な形で割いてくれる人が多々いると思う。
少なくともオイラには沢山いる。


そんな有り難味を常日頃感じながら生きていたのだが
現実は180度異なっている。
そんな不甲斐なさを彼の作品はそっと救ってくれた。


露の気配が夜の空気に染み込んで部屋の中に流れ込んでくる中、
母に手紙を書いてみた。


「元気ですか?・・・僕は元気です。・・・・」


受け取った母は、きっと気持ち悪がるか、心配して電話をしてくるだろう。
だって、一人暮らしを15年くらいしているけれど、今まで一度だって書いたことがないのだから。